本「楽園のカンヴァス」原田マハ

原田マハ 作「楽園のカンヴァス」を読む。

この作品は元学芸員だった女性と、アンリ・ルソーの作品についての物語。

 

ところで私は、美術館と言う空間が好き。

空間をとても大切に作られた建築の中にいると、ざわざわした心も落ち着くし、心地よくなるから。

美術館に行くのも、作品セットで美術館そのものが持つ「ポリシー」に包まれたいからだ。いつか、監視員でも受付でも、美術館で勤められたら幸せだろうな、なんて思う。(ちなみに美術館もいろいろいったけど、ふるさとの高松市美術館が一番好きだ。)

美術に触れているときが一番、自分らしい自分になれると知ってからは、ちょっとだけ、いいかんじに幸せになった。

 

ところで、原田マハさん。学芸員をしていた経歴をお持ちなのと、もともとのわかりやすい文才もあり、小説「楽園のキャンバス」はアートってなんぞや!?とか思っている人にもとても読みやすい本として書かれている。

 

好きだった文章はこれ。

「美術館とは、芸術家たちが表現し生み出してきた「奇跡」が集積する場所。動物園や植物園は、太古の昔から芸術家たちが表現の対象としてみつめ続けた動物や花々、この世界の「奇跡」が集まるところ。

 アートを理解する、ということは、この世界を理解する、ということ。

 アートを愛する、ということは、この世界を愛する、ということ。」

「いくらアートが好きだからといって、美術館や画集で作品だけを見ていればいいというもんじゃないだろう?ほんとうにアートが好きならば、君が生きているこの世界をみつめ、感じて、愛することが大切なんだよ」

 

目からうろこ。

つまり、アートは、アートを見るんじゃなくて、世界の見方を教えてくれるんだろな。

こんな見方も、あんな見方もあるんだよって。

そうして、感動しながらいきていきたいな。