2017-12-28 無防備 君は、瞬間、無防備な言葉を発する。 不意をつかれてこぼれ落ちる宝石。 当たり前に降り注ぐ水しぶきの中の虹。 そこに吸い込まれるわたしは、何処へ向かう。 その時の君の言葉は、あまりにもほんとうで、わたしは、たじろいてしまう。 なぜならわたしは、 君のように言葉を、 発することを、 とうの昔に、失ってしまったから。 今の私の口から発する言葉は、全て作り物、ありきたりのもの、借り物。 だから君の生きた言葉に、私が覚えるのはいつも、恐怖、憧れ、引力。 私もいつか喋れるだろうか、君のように…