「マチネの終わりに」を読んだ

平野啓一郎 作「マチネの終わりに」を読む。

装丁にはブルーとイエローが寄り添うように配色されていて、そこから「痛々しいほどの心の寄り添い」を感じ取った。

 

主人公がギタリスト、ヒロインがジャーナリスト等々、そういった設定や、物語の紆余曲折はあるが、作者が物語を通して伝えたいのは、

「人が出会い、どうしても変わらない、変えることのできない純粋な感情が相互に生まれる。それを歪めることなく大切にしたうえで、最終的には敬虔な気持ちを選択する、人間の美しさ。」

じゃないのかと考えた。

 

宗教画の美しさにも通じる物語だったと思う。